Let's make a new idea and enjoy !
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OJI Special
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2000円プロジェクト       ハイエンドに迫る ヘッドフォンアンプ 2008/05/29
 
OJI Special が誇る、ハイエンド 完全バランスヘッドフォンアンプ。
ショーでは、
ハイエンド完全バイナリ一致送り出しトランスポート DPAT2 AVHD
デジタルから完全バランスとハイエンドチップ搭載 DDAC-Pro2
をひっさげて 究極とも言える再生を披露しました。
位相反転させてバランスを作ったハイエンド従来機器と異なり、デジタルからバランス回路を構成し正負完全に同一の回路構成で、振動板を理想的にバランスドライブするシステムです。
そのアンプに迫りたい!
でも買えない! じゃあ 作っちゃえ! それも激安で!
どこまで迫れるか! 2000円プロジェクト 発進

2000円プロジェクト エピソード2

世の中には 数え切れないほどのアンプがあります。
「そりゃ〜 当たり前でしょ」 そうです。当たり前ですね。様々なメーカー、そしてモデル、用途など 数えきれないです。

しかし こういう事実は知っていますか? 「回路はどれもほとんど同じ」
まあ ここまで言うと言い過ぎですが、どれも同じような回路なのです。そして その回路のベースとなっている回路構成は何十年も前のものです。

例を言います。ここではディスクリエート(トランジスタ、抵抗、コンデンサーなど個別素子でくみ上げた回路)で組んだ場合を書きます。
たとえばラインアンプに使っている回路の構成を見ますと
1,作動増幅二段構成
2,ドライバー段
3,インピーダンス変換部(出力インピーダンスを下げる)

の3部構成みたいになっています。これは ある部分を省略する場合もありますが、ほぼ同じです。
これら 1〜3を一つのICにして 端子の数を数えます
1,作動部分 +入力 −入力 
2,出力
3、電源 プラス、マイナス
これで 電源2カ所、電源以外3カ所になります。
もう気がつかれた人もいるかもしれませんが、これをステレオ構成にしますと 電源以外は6ヶで計8カ所になり、ベーシックなオペアンプと同じ端子数になります。
そうです! この構成がオペアンプなのです。もちろん 一回路入りもありますが、これらの余分な端子は、オフセット調整端子だったり特殊な位相補償 というような端子に割り当てられています。

さて 話が、エピソードから外れているようになってしまいましたが、話を元に戻しますと、オーディオではオペアンプ つまり ICの構成を嫌う人が多いです。理由を聞くと 「音が悪い」 要するに「ICは音が悪い」と言うことなんだそうです。
しかし よく考えると、「一般的なアンプの構成=オペアンプ(IC)」なのですから この表現は少し変ですね。
言い換えてみると 「アンプの機能をIC化すると音が悪くなる」
本当でしょうか?????
私の結論を言います。確かに 特定の機能を要求する回路を1台作る場合はディスクリエートの方が良いでしょう。しかし 10ボルト以下程度の低電圧で動作する「アンプ」で特性の均一性(制作者のスキルの違いやステレオで2個や多段増幅で何個も作る時)などに限って言えば 「ディスクリエートよりもオペアンプの方が遙かに有利」になります。

たとえば 「20dBのゲインでオフセット電圧5mV以下」 と言う目標を作って これをディスクリエートで10ヶ作るには設計から製造までかなり苦労するはずです。しかし オペアンプなら簡単です。
なぜ 特性がそろっているのか? と言う疑問があると思いますが、確かに回路も複雑ですが、入力段の作動増幅のためのトランジスタが完全に近い形で熱結合されていたり、回路自体の温度の均一性が保たれていたり、形状が小さいということで、接続する線の距離が短く抵抗が少ないなど 小さくワンパッケージにすると良いことが多いのです。
こういうことは オーディオにとって見るとかなり優位性があるのです。

いまだに 私が子供の頃作ったような回路をディスクリエートで制作されている人も多いです。これはこれで楽しみがあります。
回路の仕組みも覚えますし、調整も苦労ですが、ある意味苦労も楽しめます。回路を作る配線パターンにもかなり影響されますので 回路も何回も作るようになるかもしれません。またこれも できあがったときの喜びにつながります。
しかし ただ、単に市販品のアンプを買うような感じで 「簡単に」「良い音質」を楽しむために何が必要か? を考えると、もっと良い方法があるのではないか? と言うことになります。それも 利益を考えない、「個人の趣味」を考えるともっと違う方法があるのです。

それが 高音質追求型ではありますが 「ICとディスクリエートの美味しいところを取って構成し、簡単に組めて リスクは個人で負う」という形のアンプになるわけです。


ここでお願いがあります。趣味で楽しむ自作と、売っている製品ではその性質が全く異なります。
市販の製品では、性能よりも「安全性、品質の安定性」などを求めます。接続機器が壊れてもいけません。
目的の回路よりも保護回路の方が大げさ と言う製品もあります。安定性重視で、音質を犠牲にしていることがほとんどです。
しかし 自作品は、そういうことよりも 機能や音質を大切にすることができます。

2000円でOJI Special DAMPに迫る高音質と市販品と同じ安定性や保護回路を含んだ回路は当然無理です。
自作の良いところを生かし、 動作や音質最優先 で 保護的な部分は考慮しませんので、それを理解していただき、自己責任で自作を楽しまれてください。


じゃあ 始めましょう。2000円プロジェクト!
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